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第5回 博多人形伝統工芸士会展が、はかた伝統工芸館で開催されます

第5回博多人形伝統工芸士会展が、はかた伝統工芸館で開催されます。

「伝統工芸士」は、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」の制作者の中で、12年以上の実務経験があり、高度な技術を持つと認定を受けた工芸士のことです。言わば、トップクラスの伝統工芸作家です。

「伝統的工芸品」 とは、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められた、経済産業大臣が指定する工芸品で、全国に236品目(2021年1月15日現在)あります。そのうち、博多の伝統的工芸品は、「博多人形」と「博多織」の2品目だけです。

博多の伝統工芸品

現在従事されている博多人形の伝統工芸士は39名です(日本の伝統工芸士より)。

今回、博多人形の伝統工芸士12名による展示会が、はかた伝統工芸館で開催されます。

博多伝統工芸品オンラインショップに出品している緒方恵子も伝統工芸士で、博多人形伝統工芸士会展に出展します。 「九州経済産業局長賞」受賞 作品「装」が展示されます。

博多人形師の中でもトップクラスである博多人形伝統工芸士の作品が一堂に集まります。是非この機会をお見逃しなく。

1.日にち: 2021年10月12日(火)〜 10月24日(日)

2.時間: 9:30 – 17:30 *17:00までに入館してください

3.主催: 博多人形伝統工芸士会

4.後援: 博多人形商工業協同組合

5.場所: はかた伝統工芸館
  住所: 〒814-0001 福岡市早良区百道浜3丁目1-1 福岡市博物館2階
  TEL: 092-409-5450
  休館日: 毎週月曜日

【第5回 博多人形伝統工芸士会展・出展者名】(50音順)

緒方恵子
梶原正二
小副川祐二
下川貴士
多田明正
戸畑潤吉
長友敬次
中野浩
永野繁大
益永栄喜
光石貴
室井聖太郎

合計12名

緒方恵子の博多人形の作品「装」です。座っている女性が髪に赤い櫛をつけています。

博多人形伝統工芸士 緒方恵子作「装」

博多伝統工芸品オンラインショップ

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令和3年度 第71回新作博多人形「里帰り」展

緒方恵子の博多人形の作品「装」です。座っている女性が髪に赤い櫛をつけています。

今春、2021年4月22日に、東京の伝統工芸青山スクエアで第71回 新作博多人形展の審査会が行われました。この審査会での受賞作品や出品作品が、博多に「里帰り」して展示される、令和3年度第71回新作博多人形「里帰り」展が開催されます。

博多伝統工芸品オンラインショップに出品している緒方恵子の作品「装」が、「九州経済産業局長賞」を受賞しています。緒方恵子の作品は、他に「牛頭天王」、「雪月花」が展示されます。

展示場所は、福岡市中央区にあるアクロス福岡(匠ギャラリー)です。
10月9日(土)、10日(日)の2日間では、博多人形の実演も行われます。

1.日にち: 2021年10月5日(火)〜 10月10日(日)
       *10月9日(土)、10日(日)は、博多人形の実演があります。

2.時間: 10:00 – 18:00 *最終日は、16:00まで

3.主催: 博多人形商工業協同組合

4.場所: アクロス福岡 2階 匠ギャラリー
  住所: 福岡県福岡市中央区天神1丁目1番1号
  TEL: 092-725-9100(文化観光情報ひろば)

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

緒方恵子の博多人形の作品「牛頭天王」です。牛頭天王は、インドの祇園精舎の守護神、素戔嗚尊の化身です。魔除けの神、疫病よけの神として、祇園祭で祀られます。牛頭を頭につけ、右手に羂索、左手におのを持ち右膝を立てて座っています。

緒方恵子作「牛頭天王」

博多伝統工芸品オンラインショップ

緒方恵子の博多人形を博多伝統工芸品オンラインショップでご購入いただけます。

博多人形(緒方恵子)の全商品を見る

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名古屋栄三越で博多織と博多人形の展示会が同時開催

宮嶋美紀作成の博多織のテーブルセンターです。何色かのテーブルセンターが並んでいます。

博多織手織技能修士の宮嶋美紀が、名古屋栄三越で開催する博多織博多人形の展示会に出展します。

展示場所は、名古屋栄三越8階の和雑貨売り場にあるジャパネスクコートおよびジャパネスクギャラリーです。

博多織の展示は、京友禅の眞鍋沙智氏とによる染織を堪能できる展示会です。また、博多人形の展示は、若手博多人形師5人と宮嶋美紀の博多織手織りテーブルセンターとのコラボレーションです。

お近くの方はこの機会に是非お越しください。

博多織 宮嶋美紀&京友禅 眞鍋沙智展 – 博多の粋と京の色彩美 –

宮嶋美紀の手織りによる博多織です。模様は独鈷、華皿、親子を表す太い線と細い線からなり、献上柄と呼ばれます。

1.日にち: 2021年9月8日(水)〜 9月14日(火)

2.時間: 10:00 – 20:00 *最終日 9月14日(火)は、18:00まで

3.出展作家: 
博多織: 宮嶋美紀*
京友禅: 眞鍋沙智

*宮嶋美紀は、はかた国際工芸協会会員です。

4.場所: 名古屋栄三越 8階 ジャパネスクコート
  住所: 愛知県名古屋市中区栄3-5-1
  TEL: 052-252-1111
  アクセス: 名古屋栄三越へのアクセス

名古屋栄三越ウェブサイト

~伝統を超えて~ アートな人形 HAKATA人形の今

1.日にち: 2021年9月8日(水)〜 9月14日(火)

2.時間: 10:00 – 20:00 *最終日 9月14日(火)は、17:00まで

3.出展作家: 
博多人形: 西山 陽一*、田中 勇気、小副川 太郎、宮永 誉、石田 哲志
博多織: 宮嶋美紀*

*西山陽一、宮嶋美紀は、はかた国際工芸協会会員です。

4.場所: 名古屋栄三越 8階 ジャパネスクギャラリー
  住所: 愛知県名古屋市中区栄3-5-1
  TEL: 052-252-1111
  アクセス: 名古屋栄三越へのアクセス

名古屋栄三越ウェブサイト

博多伝統工芸品オンラインショップ

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「同じだけど同じじゃない」-工芸のすゝめ

宮嶋美紀が制作した博多織の博多帯、八寸なごや帯「九献上 赤い宝」です。

土地ごとに味が異なる醤油や味噌

生活する中で特に意識されることは少ないかもしれませんが「同じだけど同じじゃない」というものは結構あると思います。

例えばお醤油やお味噌。日本に住んでいるならばほぼ誰もが口にしたことがあるし日本各地で生産されているものですが、味は同じではないですね。

私は生まれも育ちも福岡なので実感としてはあまりないけれど、他県に住む友人は九州福岡の物産展があるときには九州の醤油を買い求めてしまうようです。同じように、生まれ育った土地の醤油味噌の味が好みだという方も多いのではないでしょうか。

その由来などとても複雑で私が追いかけられるものではありませんが、これまで変化を重ね今もまだ進化し続けています。

どうやらその土地で手に入りやすい材料を用いてその地域の食文化に合うように作られてきたようです。製法もその土地ごとに醸造所ごとに製法が違うこともあるのかもしれません。だから同じ「醤油」「味噌」であっても味や用途が違ってくるのでしょう。

織物も各地域で作られてきた

これは博多織も博多人形も同じだと思います。博多織はひとつの絹織物で、博多人形はひとつの素焼きの土人形。日本全国そして世界にも同じようなものはあります。

博多織は着物の帯をメインとして生産していますが、同じタイプの帯を作る他産地の製品となかなか区別をつけづらいかもしれず、産地組合の発行する証紙頼みになってしまうのかもしれません。だけど、そういうものではないかと思います。

博多織を織り機を使って織っているところです。縦糸と横糸を交差させて織っています。

織物の構造はたて糸とよこ糸を交差させること。ただそれだけです。でも!その組み合わせは無限にできます。

どういう素材を選ぶのか、その素材をどのように加工するのか、糸の張り具合は、糸の密度は、、、と、決めていくことでどのようなものでも作ることができると私は思っています。

その土地の歴史文化を知ってわかること

ポイントはどのような布を作りたいかだけ。やわらかい布かしっかりした布か、何のために使う布なのかなど。

寒い土地だったらあたたかい生地を、暑い土地なら涼しくいられる生地を人は必要とするものだから。そうやって各地域の織物は生まれ作られてきたと思います。

材料は同じでもその土地の気候風土、歴史文化で製法やものの位置づけが変わってくることがあります。生活に必要とされる理由があり生きるための仕事となり、地域で分業化し産地を形成し産業となり作り続けられてきた。

「醤油」や「味噌」もその土地の料理に合ったものとして人々に必要とされてきた。そういうものではないかと思います。

だから私は博多織の説明をするときには「その土地を歩いてその土地の歴史文化を知ってください」と付け加えるようにしています。

ものというのはそれだけを見ていてもわかりにくい。ものは人が生み出し作り続けてきたものだから、生み出した故郷(土地・人)を感じてほしい。それでやっとわかることも面白いんじゃないかと思ったりします。

技術により違いが生み出される

最後にきちんとお伝えしておかなければならないことがあります。「同じだけど同じじゃない」ことをはっきり分けるのは技術です。それについてはまた次の機会にお話しさせていただこうと思います。

文中で引き合いに出した博多人形についてもその素晴らしさを伝えていこうと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

博多織を制作している宮嶋美紀

宮嶋美紀  博多織の商品を見る
博多織手織技能修士。ton ten ton 代表。はかた国際工芸協会代表。福岡県生まれ。2013年 博多織デベロップメントカレッジ卒業。2014年「第112回博多織求評会」で経済産業大臣賞、2016年 「第60回 新作博多織展」で九州経済産業局長賞など受賞多数。海外アパレルブランドとのコラボやフランス・パリで開催されたジャパンエキスポ2018への出展など活動の幅を広げています。

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柴田玉樹(博多曲物)

博多曲物第十八代、柴田玉樹です。曲物の材料である杉の木を円型にする作業をしています。

柴田玉樹 自然の恵みをいただいて木の温もりと美しさを伝える

博多曲物 十八代柴田玉樹のプロフィール

種類: 博多曲物 (福岡県知事指定特産民工芸品)

名前: 十八代 柴田玉樹

ブランド名: 博多曲物 玉樹

経歴など
1961年 福岡市東区馬出生まれ
1981年 筑紫女学園短期大学卒業後 曲物づくりに本格的に取り組む
1996年 17代目柴田玉樹(父)の死去に伴い屋号も「博多曲物 玉樹」に改め工房を糟屋郡志免町に移す
1997年 第39回日本民芸公募展 入選
1998年 第40回日本民芸公募展 入選
1999年 第41回日本民芸公募展 入賞
2007年 18代目柴田玉樹(雅号)として襲名
2014年 第16回福岡デザインアワード 入賞
2015年 第55回全国推奨観光土産品審査会日本商工会議所会頭 努力賞
2016年 福岡市技能功労者表彰
2017年 福岡県優秀技能者表彰
2018年 第20回福岡デザインアワード 金賞
2019年 博多マイスター認定

1961年 福岡市東区馬出、創業400年以上の老舗の生まれ。

幼少の頃より父を手伝い、平成8年、17代目柴田玉樹(父)の没後、18代目として家業を継ぎました。東京・京都などで個展を開くなど、伝統の技を守りながら現代の生活様式にもマッチした曲物の開発・普及に努めています。

また、ジャンルを問わずコラボレートし、伝統工芸へのイメージ改革を行うと共に海外展開も積極的に取り組んでいます。

「博多町家ふるさと館」(福岡市博多区冷泉町)で週に一度(木曜日)実演を行っています。

博多伝統手職人連盟会員
福岡民芸協会会員
福岡文化連盟会員
㈳九州の女会員
はかた国際工芸協会 会員

好きなこと、趣味: 浜田省吾(ファン歴40年)、ファミリーバドミントン

四百年以上続く博多曲物師

初代吉右衛門(1600年慶長5年没)から代々続く博多曲物師の家庭に、姉、弟の3人姉弟の次女として生まれました。生まれ育ったのは平安時代に創建された日本三大八幡宮、筥崎宮の近くです。

江戸時代の儒学者・貝原益軒の「筑前国続風土記」には、筥崎宮周辺に祭具や日用品を作る曲物職人が多く住んでいたことが記されています。

子どもの頃から、先代である父親の曲物作りを手伝ってきました。曲物は家内手工業、「女は嫁に行くまで手伝うもの」当時は家業の手伝いをすることが当たり前の時代で、絵付けや桜皮の綴じを任され、父親が一生懸命に曲物を作る後姿を見ながら育ちました。

家業である博多曲物を継ぐ

曲物作りの名人と言われた父は、1995年、私が35歳の時に肺がんで他界しました。通常であれば長男が家業を継ぐのですが、弟は別の道を歩むことを選びました。

このままでは博多曲物師が途絶えてしまいます。「ここで止めるわけにはいかない」十七代続いてきた家業の重さと、二十歳のころから本格的に修行してきた自負が家業を継ぐことを決めました。

四百年の歴史の中で唯一の女性博多曲物師

過去四百年間、女性の博多曲物師はいませんでした。父の四十九日の法要の時に、一輪差を引出物としてだし「ここまで作りきるとやったらよかろう。」と親戚一同から認められました。それでも世間では女が曲物作りを出来るのか誰もが半信半疑で、材料の仕入れもままなりませんでした。

負けん気がもちあがり男だからとか女だからとか関係ない、名人の父の名に恥じない作品を作ろうと心に決め、一日一日、コツコツと腕を磨いていきました。

継いだ当初は茶道具に力を入れ、京都のギャラリーで毎年展示会を行い「玉樹」の名を知ってもらうことから始めました。

日本民藝展の入賞や京都の漆絵作家との共同制作、展示会など意欲的に活動を続け、2007年には、柴田家18代「柴田玉樹」を襲名させていただきました。

「石の上にも三年」と言われますが、職人として名のりをあげて認められるのに「石の上にも十年」の年月がかかりました。

博多曲物の魅力

四百年の歴史と伝統がある曲物は主に器で、弁当箱などは口に入るものを作るのですから、釘や金属は一切用いず、杉、桜の皮といった自然の材料だけでひとつひとつ丁寧に作っています。

木目を生かし、美しい曲線、そして軽さが曲物の特徴です。素材となる杉の木材選びは、妥協せず納得がいくまで選び抜きます。「無節正目」の良質な国産の杉を使用します。

木目の美しさとやわらかい杉の手触りや香りは、心も癒してくれます。また、杉の木は抗菌効果、吸水性、保湿性が優れていて、ご飯のおいしさを長く保ちます。

お手入れ次第で耐用年数は50年にもなります。曲物は、昔の人の知恵が結集した、使う人の身体にも、そして環境にも優しい工芸品です。

四十年ほど使った飯櫃の修理を受けたことがあります。先代の作った飯櫃です。修理をしてまたお客様に喜んで使っていただけるのは職人にとって嬉しいことです。

お茶会を開いて曲物が場を盛り上げたと感謝の手紙をいただいたこともあります。お客様の喜びが、良いものをしっかり作っていこうとの活力になります。

伝統工芸品とは

伝統工芸品は、主な部分が手仕事で、技術を学び向上させて継いだものです。一人よがりで自分勝手にいいものを作るのではなく、使っていただける人のことを考え作っていくのが伝統工芸品だと思っています。

伝統工芸というと構えてしまいますが、曲物は日常生活に根付いた民芸品でもあります。お使いいただく方の気持ちを考えたものでなければいけません。

自分の代だけで終わらせるだけでなく、その技術を継承していくことが次の世代に残していくために大事なことだとも考えています。後継者育成も役目の一つです。

二人の息子がいますが、曲物作りを手伝ってくれています。今、私が作っているものは、次の世代には古いものになります。技術を継承し、新しい発想でその時代に合うものを作っていってほしい。それが曲物という伝統を継承していくことになると信じています。

将来、博多曲物師になりたい、家業を受け継ぎたいと自ら決めてもらえるように背中をみせてがんばっています。

曲物作りは、一つ一つの作業を的確に行わないと美しい作品はできません。二百年以上かけて育った木から大切な命をいただき、四百年続いた技で命を吹き込みます。

全てが真剣勝負です。これからも曲物作りに励んでいきます。

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宮嶋美紀(博多織)

博多織作家の宮嶋美紀です。博多織の織機で機織りをしています。

宮嶋美紀 伝統工芸を受け継ぎ、残す ~博多織とともに生きる~

宮嶋美紀のプロフィール

名前: 宮嶋美紀

種類: 博多織

ブランド名: ton ten ton(トンテントン)

経歴など
1977年 北九州市生まれ
2010年 博多織デベロップメントカレッジ入学(第5期生)
2013年 博多織デベロップメントカレッジ研究科 卒業

受賞歴
2011年 第46回 西部伝統工芸展 入選
2013年 第48回 西部伝統工芸展 入選
2014年 第48回 日本伝統工芸染織展 入選
    第58回 新作博多織展 博多織工業組合理事長賞
    第112回 博多織求評会 経済産業大臣賞、京都筑選会賞
2016年 第60回 新作博多織展 九州経済産業局長賞
2020年 第118回 博多織求評会 博多織工業組合理事長賞

博多織手織技能修士
ton ten ton 代表
はかた国際工芸協会 会員

好きなこと: 旅行、ドライブ

趣味、特技: 茶道(南坊流)、アート作品鑑賞

とにかく布が好き

幼少の頃から、織物、生地など布が大好きでした。服の生地をよく見てデザインや触り心地などを比べていました。布には色々な素材や出来方があります。素材を生かすことによって衣装が大きく変わるほど、布の世界は奥が深く、のめり込んでしまいます。

博多織の世界へ

今でこそ、こうして博多織の工芸作家として制作に取り組んでいますが、もともと着物や織物、伝統工芸に関する仕事をしていたわけではありませんでした。

会社員として働いていた頃、福岡市に博多織を学べる学校、博多織デベロップメントカレッジがあると知り、願書を揃えて試験を受け入学しました。布が好き、ただこの思いだけで、それまでとは違った世界に飛び込みました。

在学中の2年間は、博多織の製作を行い、また博多織や伝統工芸、デザイン、経営なども学びました。博多織や伝統工芸について何も知らなかったからこそ、真綿のように多くのことを吸収し身につけることが出来ました。卒業後は独立を決意して、博多織手機技能修士として今に至っています。

これまで多くの博多織を作ってきました。まだ初期の頃、経験が足りなかったからですが、織物を作り生み出す感覚が自分のものにならずにとても苦労しました。イメージしていたものが思ったようにきれいに織ることができず、何度も何度もやり直したことがたくさんありました。

自分が作った織物が別の人の手を経て、また違うものが生まれていくことにとても喜びを感じます。織物を通して、時とともに人と関われることは、嬉しく、刺激もあり、そしてとても楽しいです。

ただこれは、元となる織生地をどれだけ丁寧に、しっかりと作れるかにかかっています。そのためにも一本一本、糸に集中して織り続けることを心掛けています。

展示会や小学校での講習・実演など、子どもたちに博多織や伝統工芸のお話しをさせていただく機会があります。子どもたちは目を輝かせながら熱心に耳を傾けくれます。そして、博多織に触れて、素材や色合い、デザインを見て感じ取ってくれます。

子どもたちには、自分が普段、何を着ているのか、どのような素材、布の服を身に付けているのかを意識して欲しいとも話しています。博多織がそして伝統工芸がどのようなものであるかを感じてもらえたら嬉しいです。

伝統工芸とは

「伝統を受け継いでいくこと」は、まさに生きていくことだと考えています。

伝統は、時間と先人たちの苦労と努力の賜物です。その先人たちの思いや技術をしっかり受けとめ、そして、次の世代に渡していくことが私のやるべきことだと強く感じています。

「受け継ぎ残す」という流れの中に私自身がいることを自覚すると、命を生きるということが少しわかったような気がします。自分がやるべきことをひとつひとつやり続け、私が作ることで、より良いものに繋げていきたいと思います。

世界とつながる大好きな布

布は大好きなので、世界で作られている、あるいは、作られていた布や民族衣装を、その国のその土地で見て、その地域の人関わりながらとことん追求したいです。

布や衣服の未来が今後どのようになっていくかについてとても興味があり、考えだすと止まりません。いつの日か、フランスなど世界の国々とコラボレーションして新たな製品を作ってみたいです。

お客様のために

博多織は、生地に厚みや張りがあり、絵柄が美しいのが特徴です。締めたらゆるまない博多織の帯は、締める時の「キュッ」という音ともに、気持ちも凛とします。見た目の美しさだけでなく、身につける人の心も変える力があります。

博多織の良さを感じていただける製品をお客様にお届けしたい気持ちでいっぱいです。そのためにも、これからも精進して織り続けていきます。

宮嶋美紀の博多織の商品を博多伝統工芸品オンラインショップでご購入いただけます。

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緒方恵子(博多人形)

博多人形師の緒方恵子です。緒方恵子の前に博多人形が2体並んでいます。

緒方恵子 人形のある暮らし

博多人形師 緒方恵子のプロフィール

名前: 緒方恵子

種類: 博多人形

ブランド名: 博多人形 古今 kokon

経歴など
2001年 博多人形師体験講座(現・博多人形師育成塾)第1期生
2002年 博多人形師 井上あき子氏に師事し5年半修行を行う
2007年 独立し、福岡県の筑豊を博多人形の制作の拠点にする
2008年〜 飯塚山笠の人形を制作
2020年 伝統工芸士に認定
2020年 福岡県文化芸術振興審議会委員に就任

受賞歴・作品展示歴
2002年 第32回博多人形与一賞展 特選
2003年 第33回博多人形与一賞展 特選
2004年 第35回福岡市美術展 入選
2005年 第35回博多人形与一賞展 特選
2006年 第36回博多人形与一賞展 与一賞
2007年 第37回博多人形与一賞展 特選
2010~2013年 飯塚市歴史資料館に常設展示
2011年 第41回博多人形与一賞展 与一賞
2013年 第48回西部伝統工芸展 入選
2015年 東京アメリカンクラブにて個展開催
2018年〜 さかえや本店に作品を常設展示
2018年 女性伝統工芸士展に出展
2019年 第70回新作博多人形展 九州経済産業局長賞
その他出展多数。

伝統工芸士(博多人形)
博多人形 古今 kokon 代表
福岡県文化芸術振興審議会委員
はかた国際工芸協会 会員

好きなこと、趣味、特技: 空を眺めること、ヒトカラ

憧れのものづくりの道へ

小学校で教諭をしていましたが、以前から憧れていたものづくりの仕事をしたくなりました。

どうしたら職人の道に就けるか探していたところ、福岡市および博多人形商工業協同組合が主催する博多人形師体験講座があることを知り、受講しました。

講座はとても勉強になりました。講師の博多人形師の先生から、「あんた下手やけど味がある」と言われ、夢中で作品を作りました。そして、博多人形を作る工芸作家の道を進もうと決意しました。

講座を受講した後、講師の方からの推薦もあって、博多人形師の井上あき子氏に弟子入りしました。5年半の修行でとても多くのことを学ばせていただき、2007年に独立しました。

納得がいくまで作り続ける

作品づくりで、人形の色が決まらなかった時がとても苦労しました。どんな色を塗っても、イメージしていたものとしっくり来ず、何度もやり直しました。

先が見えずにとても苦しかったのを覚えています。その人形にふさわしい、自分が納得のいく色づかいを見つけた時は、とてもほっとしました。

人形の姿や動作を表現する上で、何気ない美しさを出せるようにしたいです。人形を見る人が、いろいろな感情を思い描いて、心が和むようになっていただけたらうれしいです。そのためにも、色合いや顔の表情が自然かどうか、さまざまな方向からの確認など何度も見直します。

人形作りは奥がとにかく深く、やりがいが実に大きいです。苦労する時もありますが、うれしいこともたくさんあります。制作した人形をお客様にお渡しして、そのお客様からその後のお話しをお聞きするのがとてもうれしいです。

日本の文化・歴史を映し出す

これまで、地元である遠賀川上流域にある古墳の出土品をモチーフにした作品や、飯塚市で7月に開催される祭り「飯塚山笠」の人形を制作してきました。これからも日本の文化や歴史の魅力を自分なりに作品に込められたらと思います。

素直な心で作ること

作品を手にする人がどう感じるかを思いながら博多人形を制作しています。正直な、素直な心で作ることを常に心がけています。お客様の日々の暮らしの中で工芸が楽しいものになるように、これからも博多人形作りに励みます。

緒方恵子の博多人形を博多伝統工芸品オンラインショップでご購入いただけます。

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垣内ひさ子(垣内敬一人形)

垣内敬一人形の作家、垣内ひさ子です。垣内ひさ子は、手に「ふく笛」を持って立っています。後ろにはのぼりの旗、賞状が壁にかけられ、写真が何枚か飾られています。

垣内ひさ子 伝統を受け継ぎ、伝える

垣内敬一人形 垣内ひさ子のプロフィール

名前: 垣内ひさ子

ブランド名: 垣内敬一人形

経歴など
1949年 福岡県津屋崎町(現、福津市)生まれ。工芸人形作家の故 垣内敬一の長女として誕生。幼少の頃から粘土に触れ、小学生の頃には土ねり、型とり、生地づくりなどを行う。
2013年 父、垣内敬一の遺志、人形の型を受け継ぎ、垣内敬一人形の製作を開始する。

垣内敬一人形の系譜: 垣内敬一 – 垣内すが子 – 垣内一彌 – 垣内ひさ子

【参考】垣内敬一のプロフィール
1921年 福岡県津屋崎町(現、福津市)生まれ。
1936年 博多人形師の小島与一に師事する。後、20代の頃に独立。
1949年 昭和天皇陛下、九州御巡業の際、福岡県二日市大丸別荘にて博多人形師として展示に参加。宗像大社の御用人形師として皇太子殿下(今上天皇)、清宮様へ翁面、お雛様遊び人形献上。
1958年 「ふく笛」がブリュッセル万国博覧会で銅賞受賞。
1963年 香椎宮より秩父宮妃殿下へ参拝記念として獅子頭献上。
1968年 没。病気にてご逝去。享年47歳。
1976年 日本国際見本市振興会より全国優良玩具認證 (第124号)
作品多数が九州国立博物館に所蔵、一部が展示される。

作品展示歴
2015年 垣内敬一展(企画主催)、藩校サミット、福岡マラソン、祝うたぁ友の会展、博多の恵比寿さん作品展
2016年 干支展、山笠展、手仕事展、国際歯学総会、福岡マラソン、ギャラリー京バラバラ三女展、お正月展
2017年 はかた伝統工芸館友の会展、おくりもの展、箱崎人形飾り、熊本伝統工芸館三人展、「あっと驚く、ARTで工芸」作品展、友の会キレイモノ展、で逢いにありがとう展、日本民藝館公募展
2018年 祝うたぁ友の会展、百面相展狐面(ほろよい、カーニバル)、工芸に活きる展
2019年 はかた国際工芸協会企画展
2020年 下関市亀山八幡宮いいふくの日、津屋崎千軒なごみ展

はかた国際工芸協会 会員

好きなこと、趣味、特技: ものづくり。人形作りをしている時が一番楽しい時間です。

工芸とともに育つ

福岡県津屋崎町(現在は福津市)の人形屋の娘に生まれました。

父、垣内敬一は、明治から昭和にかけて活躍した最高峰の博多人形師である小島与一に師事し、その後、20代の頃に独立し、博多人形をはじめ数々の人形や置物、飾り物の作成に励みました。九州、山口地方にある多くの神社へ奉納品やお守りなどの授与品もお納めしていました。

そんな父のそばにいたため、工芸の中で、工芸とともに育ちました。幼稚園の頃には粘土をこね、小学生の頃には土ねり、型とり、生地づくりを行い、父の手伝いもするようになりました。人形作りが楽しくて、毎日夢中になってしていたのを覚えています。

父との約束

私が中学生、15歳の時に、父から工芸の道に進むことを勧められました。当時、工芸の世界では、中学を卒業すると同時にその道に進むものだったのです。

人形を作るという工芸の道も魅力があったのですが、その時は若かったからでしょう、勉強や他のことをいろいろしてみたかったのです。そして、高校に進学したいこと、工芸の道はその先にしたいことを告げました。

父は、「やりたいと思った時が一番だ。だから、いつかそう思った時に始めたらいいよ。」と、優しく言ってくれました。

父は数々の作品を作り、皇室への献上や、出展したベルギーでの万博博覧会で銅賞を受賞するなど活躍しました。作風は実に幅広く、美人もの、お面、肖像人形、木目込み人形、木彫なども手掛け、工芸の世界で多彩な才能を発揮。

しかし、病気のため47歳の若さで他界しました。父が遺した人形制作は、垣内敬一人形として母が引き継ぎ、そして、かなりの年月が過ぎました。

「父の仕事を引き継ぎ、作家の道に入る。」

父との約束の言葉を思い出し、父が丹精込めた作品を忠実によみがえらせたいと思うようになりました。

2013年に工芸の世界に入ることを決断し、博多人形師の先生方に教えを請い、様々な技術を教えていただきました。博多人形師の先生方には感謝してもしきれません。

最初に作成したのは、山口県下関市の郷土玩具「ふく笛」でした。ふく笛が私を作家の道へと案内してくれたのです。

この「ふく笛」は、2020年11月29日、山口県下関市にある亀山八幡宮で実に40年ぶりに復活販売されました。現地の新聞や大手新聞など数々のメディアに取り上げられ「作者は垣内敬一、名人と呼ばれた博多人形師小島与一の弟子」と紹介されました。

父との約束が「遅くなってごめんね」と胸の奥でひびきました。と同時に、やっと少しだけ約束が果たせたかなと思うと、とても嬉しくもなりました。

人形作りの魅力

人形作りは楽しいですが苦労の連続でもあります。人形の表情を生き生きとしたものにすることや、彩色にも注意を払います。

また、笛をきれいな音色を奏でられるようにすることにも技術を要します。作成している笛の種類には、「ふく笛」、「もま笛」、「鳩笛」などがあります。

出来上がりの形がとてもよく出来ていたとしても、きれいな音が出ないと笛は作品にはなりません。開ける穴の位置、大きさは少しでも変わるときれいな音が出なくなります。穴を開け、吹き口にヘラを入れる時は、特に神経を集中させて作業します。

美しい音が出ると、「ありがとう」と笛にお礼を言います。この、楽しくて夢中になるとともに難しさがあるところに人形作りの魅力があります。

伝統を守り、伝える

垣内敬一人形は、美人もの、童もの、節句ものなどの人形や、土鈴、面、笛など、いろいろな種類の作品があります。元気で、かわいく、ほっこりしたお人形たちにより、お客様が癒され、喜ばれ、幸せな気分になっていただけることを心より願います。

人形を手にしてくださるお客様のために、これからもひとつひとつ心を込めて人形作りに励んでまいります。お客様に人形をお届け出来る日を楽しみにしております。

垣内ひさ子の垣内敬一人形を博多伝統工芸品オンラインショップでご購入いただけます。

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小西一珠喜(博多きり絵)

博多伝統工芸品の博多きり絵です。博多の祭り、博多祇園山笠で男達が山を舁く様子を白黒のきり絵で表現しています。

小西一珠喜 光と影が作り出す博多きり絵の世界〜世界一愛されるきり絵師を目指して〜

博多きり絵師 小西一珠喜のプロフィール

名前: 小西一珠喜(こにし かずよし)

種類: 博多きり絵

ブランド名: 博多きり絵

経歴など
1958年4月  長崎県五島列島小値賀島に生まれる
1974年8月  きり絵にて「竹馬」を制作する
1978年4月  福岡を永住の地とする
2001年12月  実家が火事になり全焼したにも関わらず、自身の制作した「ゆかた」のきり絵が奇跡的に残り、それが転機となり、きり絵の創作活動に本腰を入れる。
2002年  博多祇園山笠のきり絵が新聞に掲載
2003年  「博多祗園山笠 きり絵」画集の出版
2005年~2006年  NHK山笠番組で山笠きり絵が採用される
2007年  アクロス福岡にて個展
2008年  ニューヨーク国連国際学校・夏祭りで展示会及びワークショップを行う
2010年  博多駅新幹線コンコース内に展示
2011年  博多リバレイン入り口に巨大きり絵アート展示
2012年  フィラデルフィア日本語学校総会にきり絵講師で招待
2013年  日本郵政発売の「黒田官兵衛」の切手付き絵入りはがき5枚セットに、きり絵が採用される
2014年  日本郵政発売の「博多祇園山笠」の記念切手シートにきり絵が採用される
2015年  はかた伝統工芸館で、自身の7年ぶりの個展開催
2016年  はかた伝統工芸館で第2回目の個展開催
2017年  はかた伝統工芸館で題3回目の個展開催
2017年  「博多龍神と子供達」巨大きり絵制作を監修  ※作品は、「博多区役所」に寄贈
2018年  小西一珠喜 永眠

はかた国際工芸協会 会員(小西美香)

歴史あるきり絵

きり絵とは、黒い紙をカッターナイフやハサミを使って切り抜き、白と黒だけで独特の世界を作り出す芸術です。白黒だけでなく色彩ゆたかなカラーの作品もあります。

日本でのきり絵の歴史は深く、岐阜県の飛騨高山では奈良時代から伝わる様式が残り、宮崎県の高千穂では平安時代末期から行われたと言われる神事、夜神楽の時に「彫物(えりもの)」と呼ばれるきり絵が飾られます。また、京友禅など着物を染める型紙としても使われてきました。

焼け跡から残った1枚のきり絵

博多きりえ師、小西一珠喜は1958年生まれ、長崎県の小値賀出身です。1978年に福岡で生きていこうと決心しました。

2001年、長崎県の小値賀の実家が火事になりました。焼け跡から唯一残った物が、20歳の時に制作した「ゆかた」のきり絵でした。家はほぼ全焼でしたが、きり絵が飾ってある壁の部分だけが焼けずに残っていたのです。まさに、これをきかっけに「きり絵師になろう」と決意しました。

博多きり絵の誕生

そして、博多の者ではない私が、博多の伝統のあるお祭り「博多祇園山笠」に熱気に触れ感動しました。山笠にかける皆さんの熱意をきり絵で表現したいと思いました。きり絵を通して、きり絵の持つ力強い表現力を目いっぱい使って誕生したのが「博多きり絵」です。

博多祗園山笠に関して、着用する法被をきり絵で作成開始した当初のことです。いざ取り掛かると、全部で87種類もの法被が存在することが分かりました。思っていたよりも種類が多かったので「こりゃ大変だ!」と思いました。

福岡のことや博多祇園山笠のことなど何も分からなかった私に、博多の皆様が手取り足取り暖かく教えてくださり、そのような皆様のおかげで「博多きり絵」の作品を作り続けることができたことは何よりも嬉しかったです。

世界一愛されるきり絵師になること

私の作品のテーマは「博多」です。私は川端商店街が好きです。キャナルシティが好きです。櫛田神社が好きです。博多の下町の人々が好きです。

博多をもっともっと盛り上げるために、自分にできることは何か、あせらずやれることを、ひとつずつ残したいと思っています。まだまだ知らないことや、しきたりがたくさんあります。今後も勉強しながら「博多きり絵」を進化させたいと思っています。そして、最終の夢は、「世界一愛されるきり絵師になること」です。

博多きり絵の魅力をお客様にお伝えしたい

当初は、山笠の力強さを出すために「モノクロ」にこだわっていました。しかし、「カラー」のきり絵を制作してみると、きり絵の持つシャープで力強い表現が、彩色によって柔らかく表現できることも分かりました。

博多きり絵は、大胆さと繊細さ、そして光と影が織りなすきり絵が持つ独特の世界観で博多を表現します。お客様に博多きり絵をお届け出来る日を楽しみにしております。

小西一珠喜は、 2018年に永眠しました。「世界一愛されるきり絵師になること」という想いは、博多きり絵の中に生き続けています。

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博多織について

宮嶋美紀の制作による3種類の博多織の博多帯です。

博多織は、福岡県福岡市の博多地区で作られる織物で、博多を代表する伝統工芸品です。国が指定する236品目ある伝統的工芸品にも選ばれています。

鎌倉時代に中国で学んだ織物の技術に改良を重ねて生まれた独自の技法により作られています。普通の帯では経糸(縦糸)を4,000から5,000本使いますが、博多織で作られた帯では6,000本以上、多いもので15,000本もの経糸を使います。

丈夫で張り、厚みがあり、献上柄と呼ばれる独特の模様や、一度締めたら緩まない締め心地が特徴です。古くは武士も締めていました。今では大相撲では幕下以上でなければ博多帯を締めるのが許されないほどです。博多織は、着物を着る人は誰もが憧れる人気の帯です。

博多織の歴史

博多織はどのように伝わったのでしょう。1235年、博多の商人である満田彌三右衛門(みつたやざえもん)は、弁円和尚と一緒に南宋(中国)へ向かいました。6年間、宋に滞在し、織物、朱焼、箔焼、素麺、麝香丸(じゃこうがん)の5つの製法技術を学び博多に戻ってきます。

博多に戻った彌三右衛門は、博多の人に学んだ朱焼、箔焼、素麺、麝香丸の技術を教えました。しかし、織物の技術だけは家伝とし自分の家族にのみ伝えました。彌三右衛門はその技法にさらに工夫や改良を加えながら代々伝えていきます。

その後、彌三右衛門の孫、満田彦三郎が明(中国)に渡り、織物の技術をさらに追及します。帰国後、さらに改良を重ね、生地が厚く、浮き出た模様(浮線紋)がある織物を作り上げました。それが今の博多織の起源と言われています。

博多織の特徴

博多織の特徴は、細いたて糸をたくさん使い、太い緯糸で打ち込んでいきます。博多織の帯を締めると、「キュッ、キュッ」という絹の織物ならではの音、「絹鳴」がします。絹だとかたいイメージがあるかと思いますが、張りはあるのに、締めやすいといわれています。

博多織が出来上がるまで

(1) 絹糸をつくる

A)養蚕

カイコの卵は1ミリほどの大きさです。それから孵化したときは12ミリです。カイコは桑の葉を食べて70ミリまで成長します。そのうちに桑を食べなくなり、真っ白だったカイコは乳白色になります。
このように変化したカイコは繭作りを始めるので、蔟(まぶし)*に移します。
カイコは糸を吐いて、2~3日で繭ができます。
*蔟(まぶし):蚕が繭を作る場所

B)繭を集める

カイコが繭から孵化する前に、蔟(まぶし)から繭を集めます。

C)製糸

繭を乾燥させたあと煮ます。
そうすることで繭がほぐれていき糸が取りやすくなります。

(2) 博多織をつくる

A)企画

まず何を作るための生地にするかを決め、さらに献上柄にするか、他の柄にするか、どのような色にするかを決めます。

博多織で作られるものには、帯、着物の他に、鞄、ネクタイ、名刺入れ、財布など様々な種類があります。

B)意匠デザイン

博多織のデザインを決めます。柄の図案を実際に織物で作れるようデザインしていきます。

以前は手書きで経糸と緯糸を描きデザインを構成していました。コンピューターが導入されたおかげで、作業は効率化されたましたが、それでも大変な仕事です。

C)染色

生糸の汚れ等を除き、絹糸に仕上げます。

色見本に合わせて染色を作り、経糸と緯糸を染めていき絹の光沢を出すよう仕上げます。見本通りの色を出すのに、技術とセンスを必要とします。

染める方法には、機械染めと手染めがあります。染料も天然染料・化学染料があります。

D)糸の準備

織物を作るには経糸(縦糸)と緯糸(横糸)が必要となります。きれいに染められた経糸と緯糸を枠に巻いていきます。

E)製織

糸をセットしていきます。柄や色を変えるときは一本一本手で結び付けていきます。リズムよくトーン、トントントンという音を響かせながら折られていきます。

厳しい検品を受け合格した織物だけが博多織として証紙が発行されます。

献上柄について

博多織は、「献上柄」といわれる伝統的な模様があります。江戸時代に福岡の藩主、黒田長政が幕府に献上していた博多織の柄から由来しています。

献上柄は、次の4つの模様からなります。

  • 独鈷(どっこ)
  • 華皿(はなざら)
  • 中子持縞(なかこもちじま)
  • 両子持縞(りょうこもちじま)

仏具として使用する独鈷、華皿をモチーフとしています。独鈷は、人間だれしもがもつ煩悩を打ち砕くとされるものです。華皿は仏様の供養の時にまくお花を入れるお皿です。どちらも、魔除け、厄除けの願いが込められています。

中子持縞と両子持縞は、親を表す太い線と子供を表す細い線からなります。

中子持縞は、太い縞が細い縞を挟む縞模様で、親が子を守るという意味があります。別名、親子縞といいます。両子持縞は、細い縞が太い縞を挟む縞模様で、子が親を慕い守るという意味があります。別名、孝行縞といいます。

どちらも親子の愛情、家内繁盛、子孫繁栄の願いが込められています。

博多織五色献上

博多織には、福岡の黒田藩主が徳川幕府に献上したものを、「博多織五色献上」といい近年になって再現され、「紫、青、赤、紺、黄」の五色からなります。

「紫」は昔から高貴な色とされています。再現された染料はムラサキ草の根で染色されました。

「青」は季節の初めの色を表しています。アイで染色されています。
「赤」は天に昇る太陽を表しています。染料は日本アカネの根を使っています。
「紺」は信用を表現しています。青とはまた異なり深みがあります。染料はアイを使用しています。
「黄」は皇帝の威力を表現しています。ヤマモモの皮を使って染色しています。

現代にマッチした博多織

現代になって着物を着て帯を締めることが少なくなってきています。そのため、博多織は、現代の生活にあったものにも浸透してきています。

ネクタイや名刺ケース、お財布にバックなどです。男性にも女性にも使える博多織を多く見かけます。献上柄から、ドット、動物の柄など幅広い年齢層のかたにむけたデザインや品物が作られています。博多織をもっていることで、絹の美しさを楽しめ優雅な気持にさせてくれます。

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