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博多織について

宮嶋美紀の制作による3種類の博多織の博多帯です。

博多織は、福岡県福岡市の博多地区で作られる織物で、博多を代表する伝統工芸品です。国が指定する236品目ある伝統的工芸品にも選ばれています。

鎌倉時代に中国で学んだ織物の技術に改良を重ねて生まれた独自の技法により作られています。普通の帯では経糸(縦糸)を4,000から5,000本使いますが、博多織で作られた帯では6,000本以上、多いもので15,000本もの経糸を使います。

丈夫で張り、厚みがあり、献上柄と呼ばれる独特の模様や、一度締めたら緩まない締め心地が特徴です。古くは武士も締めていました。今では大相撲では幕下以上でなければ博多帯を締めるのが許されないほどです。博多織は、着物を着る人は誰もが憧れる人気の帯です。

博多織の歴史

博多織はどのように伝わったのでしょう。1235年、博多の商人である満田彌三右衛門(みつたやざえもん)は、弁円和尚と一緒に南宋(中国)へ向かいました。6年間、宋に滞在し、織物、朱焼、箔焼、素麺、麝香丸(じゃこうがん)の5つの製法技術を学び博多に戻ってきます。

博多に戻った彌三右衛門は、博多の人に学んだ朱焼、箔焼、素麺、麝香丸の技術を教えました。しかし、織物の技術だけは家伝とし自分の家族にのみ伝えました。彌三右衛門はその技法にさらに工夫や改良を加えながら代々伝えていきます。

その後、彌三右衛門の孫、満田彦三郎が明(中国)に渡り、織物の技術をさらに追及します。帰国後、さらに改良を重ね、生地が厚く、浮き出た模様(浮線紋)がある織物を作り上げました。それが今の博多織の起源と言われています。

博多織の特徴

博多織の特徴は、細いたて糸をたくさん使い、太い緯糸で打ち込んでいきます。博多織の帯を締めると、「キュッ、キュッ」という絹の織物ならではの音、「絹鳴」がします。絹だとかたいイメージがあるかと思いますが、張りはあるのに、締めやすいといわれています。

博多織が出来上がるまで

(1) 絹糸をつくる

A)養蚕

カイコの卵は1ミリほどの大きさです。それから孵化したときは12ミリです。カイコは桑の葉を食べて70ミリまで成長します。そのうちに桑を食べなくなり、真っ白だったカイコは乳白色になります。
このように変化したカイコは繭作りを始めるので、蔟(まぶし)*に移します。
カイコは糸を吐いて、2~3日で繭ができます。
*蔟(まぶし):蚕が繭を作る場所

B)繭を集める

カイコが繭から孵化する前に、蔟(まぶし)から繭を集めます。

C)製糸

繭を乾燥させたあと煮ます。
そうすることで繭がほぐれていき糸が取りやすくなります。

(2) 博多織をつくる

A)企画

まず何を作るための生地にするかを決め、さらに献上柄にするか、他の柄にするか、どのような色にするかを決めます。

博多織で作られるものには、帯、着物の他に、鞄、ネクタイ、名刺入れ、財布など様々な種類があります。

B)意匠デザイン

博多織のデザインを決めます。柄の図案を実際に織物で作れるようデザインしていきます。

以前は手書きで経糸と緯糸を描きデザインを構成していました。コンピューターが導入されたおかげで、作業は効率化されたましたが、それでも大変な仕事です。

C)染色

生糸の汚れ等を除き、絹糸に仕上げます。

色見本に合わせて染色を作り、経糸と緯糸を染めていき絹の光沢を出すよう仕上げます。見本通りの色を出すのに、技術とセンスを必要とします。

染める方法には、機械染めと手染めがあります。染料も天然染料・化学染料があります。

D)糸の準備

織物を作るには経糸(縦糸)と緯糸(横糸)が必要となります。きれいに染められた経糸と緯糸を枠に巻いていきます。

E)製織

糸をセットしていきます。柄や色を変えるときは一本一本手で結び付けていきます。リズムよくトーン、トントントンという音を響かせながら折られていきます。

厳しい検品を受け合格した織物だけが博多織として証紙が発行されます。

献上柄について

博多織は、「献上柄」といわれる伝統的な模様があります。江戸時代に福岡の藩主、黒田長政が幕府に献上していた博多織の柄から由来しています。

献上柄は、次の4つの模様からなります。

  • 独鈷(どっこ)
  • 華皿(はなざら)
  • 中子持縞(なかこもちじま)
  • 両子持縞(りょうこもちじま)

仏具として使用する独鈷、華皿をモチーフとしています。独鈷は、人間だれしもがもつ煩悩を打ち砕くとされるものです。華皿は仏様の供養の時にまくお花を入れるお皿です。どちらも、魔除け、厄除けの願いが込められています。

中子持縞と両子持縞は、親を表す太い線と子供を表す細い線からなります。

中子持縞は、太い縞が細い縞を挟む縞模様で、親が子を守るという意味があります。別名、親子縞といいます。両子持縞は、細い縞が太い縞を挟む縞模様で、子が親を慕い守るという意味があります。別名、孝行縞といいます。

どちらも親子の愛情、家内繁盛、子孫繁栄の願いが込められています。

博多織五色献上

博多織には、福岡の黒田藩主が徳川幕府に献上したものを、「博多織五色献上」といい近年になって再現され、「紫、青、赤、紺、黄」の五色からなります。

「紫」は昔から高貴な色とされています。再現された染料はムラサキ草の根で染色されました。

「青」は季節の初めの色を表しています。アイで染色されています。
「赤」は天に昇る太陽を表しています。染料は日本アカネの根を使っています。
「紺」は信用を表現しています。青とはまた異なり深みがあります。染料はアイを使用しています。
「黄」は皇帝の威力を表現しています。ヤマモモの皮を使って染色しています。

現代にマッチした博多織

現代になって着物を着て帯を締めることが少なくなってきています。そのため、博多織は、現代の生活にあったものにも浸透してきています。

ネクタイや名刺ケース、お財布にバックなどです。男性にも女性にも使える博多織を多く見かけます。献上柄から、ドット、動物の柄など幅広い年齢層のかたにむけたデザインや品物が作られています。博多織をもっていることで、絹の美しさを楽しめ優雅な気持にさせてくれます。

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博多の伝統工芸品(福岡県指定の特産民工芸品)

博多の伝統工芸品の博多人形です。博多人形師、緒方恵子の作品「華」で、歌舞伎十八番の一つ「助六由縁江戸桜」の一場面です。

商人の町として発展してきた博多は、長い歴史の中で様々な工芸品が育まれ、人々の手によって伝統工芸品として受け継がれてきました。

博多の伝統工芸品のなかで、現在、国指定の伝統的工芸品として博多織博多人形の2品目があります。また、福岡県指定の特産民工芸品としては、博多曲物、博多鋏、マルティグラス、博多独楽、博多おきあげ、博多張子があります。

博多織

博多の伝統工芸品の博多織です。博多織で織られた帯が反物の状態で置かれています。

博多織の起源は、1235年に博多の商人である満田彌三右衛門(みつだやざえもん)が中国の宋に行き、技術を学んで博多に技術を持ち帰ったことが始まりです。

博多織特有の柄に献上柄というものがあります。この柄は、仏事で使われる花皿と独鈷をモチーフにしたものと、親子柄、孝行柄とよばれる太さの異なる線で作られているものを呼びます。

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博多人形

緒方恵子の制作による博多人形の作品「慶」です。黒く大きな牛の背で童子が笛を吹いています。

博多人形の誕生は、1600年に、今の福岡を治めることになった黒田長政が、城を築くために職人を集めます。そのときの瓦職人が作った素焼き人形が博多人形の始まりといわれています。

 博多人形には「美人もの」、「歌舞伎もの」など美しさや力強さを感じさせるものもありますが、「干支もの」「節句もの」などかわいらしいものも作られています。

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博多曲物

博多の伝統工芸品である博多曲物です。楕円の形をした弁当箱です。杉の木の模様と楕円の曲線が美しいです。

博多曲物の歴史は大変長く西暦200年までさかのぼります。日本の第15代天皇である応神天皇がお生まれになったときに、へその緒をいれた容器が、今の博多曲物でした。

曲物はネジなど全く使っておらず、ひとつひとつ手作りで、木のみ使用して作られています。

おひつやお弁当箱など作られていますが、ぜひ見ていただきたいのが「ポッポーお膳」です。こちらは子供のお祝いのときに使われるお膳です。お膳に書かれている松竹梅や鶴亀が特徴的で、子供の成長を願う気持ちが込められています。

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博多鋏

博多の伝統工芸品の博多鋏です。鋏の中心部には「卯」の刻印と「菱」をあらわすデザインが刻まれています。

今から700年ほど前に南宋の商人、謝国明が「唐鋏」を博多に持ち込んだのが始まりです。その後、幕府の献上品として、博多の刀鍛冶師である安河内卯助により唐鋏の製作に取り組みました。

1800年(明治13 年)に高柳亀吉が卯助翁の弟子となり、やがて師匠の刻印である登録「宇」の継承を許されました。その後、1887年(明治20年)に独立し、唐鋏を「博多鋏」と改称しました。一点一点丁寧に作られており、鋭い切れ味が特徴です。

マルティグラス

マルティグラスは、「Multiple Layer Glass(マルティプルレィヤーグラス)」の愛称です。性質の違ういろいろな色のガラスを何層にも重ねて、美しい芸術作品になります。

1937年(昭和12年)のパリ万博で、日本のガラスとして初のグランプリを受賞しています。

干支モノや置物などもありますが、花瓶やおちょこやカップなど実際に日常生活で使えるものもあります。

博多独楽

博多の伝統工芸品である博多独楽です。大小、4つの赤、緑、紺、金の色からなる博多独楽が並んでいます。

1300年に中国から竹製の唐ゴマが日本に伝えられました。その後17世紀後半、木製のコマに鉄の芯を打ち込んだ「博多独楽」が作られました。このうように鉄の芯を持った博多独楽は、手に取って移動させることが可能になり、独楽を使った曲芸がうまれました。

博多おきあげ

博多おきあげとは下絵を描き、布や綿を使い立体的に盛り上げて作ったものです。立体感のある絵画のようです。

博多では、女の子が生まれた時に、博多おきあげを送る習慣がありました。明治、大正時代にはこのおきあげを作ることは女性の教養の一つだったそうです。

顔は手書きでひとつずつ丁寧に描かれています。着物を着たものは、重なりの部分や帯など色の配色も素敵です。

博多張子

博多の伝統工芸品である博多張子です。猿、虎、だるまの博多張子です。

博多張子は、江戸時代から縁起物として作られてきました。作り方は今も江戸時代とほとんど変わっていません。木などで作った型に和紙を布苔で幾重にも張り重ね、乾燥させた後、手描きで絵付けをします。一つ一つ丁寧に手作業で作られます。

博多の大きなお祭り、博多どんたくで使うお面や、商売繁盛を願う十日恵比須の鯛の飾り、干支の置き物など縁起物として愛されています。

博多は、古来より貿易の中心地でもあったことから、ほかの国から伝わったものをベースにしたものも見受けられます。すべての工芸品は多くの人の努力により今現在まで伝わっていることを考えると、有り難さが一段と深くなります。

博多にいらした際は、博多の街に根付いた工芸品をぜひご覧になっていただきたいと思います。

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