最終更新日: 2022年6月22日
トップクラスの伝統工芸作家はどんな作品を作るんでしょう?
こんにちは。博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata 店長のタナカです。
昨年の第5回に引き続き、博多人形伝統工芸士会に所属する伝統工芸士、15名による展示会「第6回博多人形伝統工芸士会作品展」がはかた伝統工芸館で開催されています。
昨年のもようはこちらから。
>> 第5回博多人形伝統工芸士会展が、はかた伝統工芸館で開催されます

「伝統工芸士」は、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」の制作者の中で、12年以上の実務経験があり、高度な技術を持つと認定を受けた工芸士です。言わば、トップクラスの伝統工芸作家です。
博多人形の伝統工芸士で現在も制作に従事されている方は39名です。(日本の伝統工芸士より)
「伝統的工芸品」 は伝産法という法律で定められた経済産業大臣が指定する工芸品です。全国に237品目(2022年3月18日現在)あります。そのうち、博多の伝統的工芸品は「博多人形」と「博多織」の2品目だけです。
今回は「博多人形」 の伝統工芸士、15名の作品が並びます。期間が2週間と短いので、是非この機会をお見逃しないようにされてください。
第6回博多人形伝統工芸士会作品展
1.日にち: 2022年6月7日(火)〜 6月19日(日)
2.時間: 9:30 – 17:30 *17:00までに入館してください
3.主催: 博多人形商工業協同組合
4.共催: 博多人形伝統工芸士会
5.場所: はかた伝統工芸館
住所: 〒814-0001 福岡市早良区百道浜3丁目1-1 福岡市博物館2階
TEL: 092-409-5450
休館日: 毎週月曜日
【第6回 博多人形伝統工芸士会展・出展者名】(50音順)
- 稲富昭満
- 梶原正二
- 小嶋慎二
- 小副川祐二
- 齋藤善月
- 下川貴士
- 多田明正
- 津志田孟
- 戸畑潤吉
- 長友敬次
- 中野浩
- 永野繁大
- 馬場千代子
- 益永栄喜
- 室井聖太郎
合計15名

益永栄喜さんの作品 「羽衣」です。能楽作品の「羽衣」がテーマで、羽衣を返してもらうために天女の舞を踊る姿です。羽衣の装飾の圧巻の美しさ、今にも踊り出しそうな躍動感に見入ってしまいます。

梶原正二さんの作品 「一品作 呉姫両剣の舞」です。第44回福岡県伝統的工芸品展福岡県県議会議長賞を受賞しました。衣装の細かい彩色、身体のバランス、顔の表情などどれも粘土から作られた人形とは思えないほどです。

戸畑潤吉さんの作品「昇龍七福神」です。龍に乗った七福神、幸運いっぱいの人形で、見ているだけで幸せな気分になってきます。龍に思わず触れてしまいたくなりました。

下川貴士さんの作品「世界はひとつ」です。争いが絶えない世界ですが、こんな風に世界が一つになって欲しいと思いました。

永野繁大さんの作品「Prayer いのり」です。アマビエなのですが、アマビエという枠を超越しています。想像、創造の力は果てがないですね。
博多人形は粘土を焼いた素焼きの人形の上に彩色して仕上げます。粘土で出来た人形が、これほどまでに精巧で品を感じさせるのは日本全国を見ても類がありません。
伝統工芸士の方の作品は、美しさ、品、色気、華やかさ、技術、精巧・緻密さ、色使い、形に圧倒されてしまいます。そして人形の発想の豊かさ。伝統工芸品というと伝統的なデザインや型式を想像してしまいますが、博多人形は伝統的なものだけにとどまらず、自由で豊かな発想のもとに生み出されていることがよくわかりました。
第6回博多人形伝統工芸士会作品展は、博多人形の伝統工芸士の偉大さを実によく実感できる展示です。
この記事を書いた人

田中 真
博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata の店長です。工房&工芸品ショップめぐり、旅行が大好きです。ユーラシア大陸横断、世界一周など訪れた国は50ヶ国以上。はかた伝統工芸館企画委員、はかた国際工芸協会事務局。代表をつとめる(株)トリップインサイトでは工房を訪れるツアーを企画催行しています。