最終更新日: 2022年6月22日
こんにちは。博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata 店長のタナカです。
はかた国際工芸協会は11月24日(水)、福岡市内にある鶴田小学校で博多人形の絵付け体験教室を開催しました。参加してくださったのは、約80人の小学校4年生のみなさんです。密にならないよう、広い体育館内が会場です。
福岡の伝統的工芸品についてお話ししました
冒頭、同協会の代表で博多織手織技能修士でもある宮嶋美紀が博多および福岡県の伝統工芸品について説明しました。「福岡県内に伝統的工芸品はいくつあるでしょう?」との質問に、たくさんの生徒さんが元気よく手を挙げて答えてくれました。

福岡県には現在次の7つの工芸品が「伝統的工芸品 *」として経済産業大臣の指定を受けています。
(*注:伝統「的」工芸品と、伝統工芸品の伝統と工芸品の間に「的」の字が入り、伝統工芸品とは区別されています。)
博多人形絵付け体験、講師は伝統工芸士の緒方恵子です
今回は伝統的工芸品の指定を受けている博多人形の絵付け体験を行います。講師は伝統工芸士(博多人形)の緒方恵子です。伝統工芸士は伝統的工芸品の制作者で12年以上の実務経験があり、かつ高度な技術を持つと認定を受けた工芸士です。

緒方恵子が小学生のみなさんに、博多人形の歴史や特徴、絵付けの方法についてお話しさせていただきました。「博多人形を見たことがある!」「博多人形がおうちにある!」と元気に教えてくれて、緒方もとても嬉しそうでした。

博多人形がどのような人形であるかや制作方法、絵付けの方法は、はかた国際工芸協会オリジナルのテキストを事前にお配りしていました。もうすっかり予習してくださって、そして絵付けのデザイン案も作ってくれていました。素晴らしい!
絵付け方法をあらためて説明し、動画も視聴していただきました。みなさん、もう絵付けをしたくてうずうずしている様子です。さあ、はじめましょう!
子ども達の創造力が育まれる絵付け体験

何も無いところから絵を描いていくのはまさに自由な発想、クリエイティブな感覚が生まれる瞬間です。

小さい模様や細かいところは、筆よりも爪楊枝を使うと描きやすいですね。道具を使い分けるのもとても楽しいです。

とてもかわいい寅の干支人形が出来上がりました。来年、2022年の干支の寅(虎)は百獣の王で、古来より王者、そして決断力や才知の象徴です。寅の字は「始まり」「成長」を意味するとも言われています。とても縁起がいいので飛躍の年になりそうです。
今回の博多人形は土鈴(どれい)になっていますので、紐を持って揺らすと「カラン、カラン」と優しい音色がします。鈴の音には邪気を追い払ってくれる魔よけの力があると昔から言われています。
伝統工芸作家とのふれあいも体験教室ならでは


今回は博多人形の絵付けが終わって少しの間でしたが、博多織で使用する絹の糸を生徒のみなさんにプレゼントしました。絹の糸はとても軽くなめらかで光り輝いています。この細い糸が何本も一緒になって博多織の着物や帯になるのを知って子ども達は興味津々でした。
生徒さん達にとって、普段話したり接したりすることが無い伝統工芸品の工芸作家との出会いは、貴重な機会となったのでは無いでしょうか。宮嶋美紀から、「みなさん、是非、伝統工芸品を作る人、使う人、伝える人のいずれかになってください。」とお願いしました。
小学生のみなさんが伝統工芸品について少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。鶴田小の生徒のみなさん、ご協力くださった先生方、ありがとうございました。
はかた国際工芸協会では、出前工芸体験教室を行っています。博多人形、博多織、博多曲物、博多きりえ、垣内敬一人形など、伝統工芸の体験教室を行なっています。
幼稚園、小中学校、高校、大学、専門学校など各種学校をはじめ、企業、団体など幅広くご利用いただけます。内容につきましては、いつでもお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人

田中 真
博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata の店長です。工房&工芸品ショップめぐり、旅行が大好きです。ユーラシア大陸横断、世界一周など訪れた国は50ヶ国以上。はかた伝統工芸館企画委員、はかた国際工芸協会事務局。代表をつとめる(株)トリップインサイトでは工房を訪れるツアーを企画催行しています。