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博多織について

宮嶋美紀の制作による3種類の博多織の博多帯です。

Last Updated on 2021年9月9日 by craftsofhakata

博多織は、福岡県福岡市の博多地区で作られる織物で、博多を代表する伝統工芸品です。国が指定する236品目ある伝統的工芸品にも選ばれています。

鎌倉時代に中国で学んだ織物の技術に改良を重ねて生まれた独自の技法により作られています。普通の帯では経糸(縦糸)を4,000から5,000本使いますが、博多織で作られた帯では6,000本以上、多いもので15,000本もの経糸を使います。

丈夫で張り、厚みがあり、献上柄と呼ばれる独特の模様や、一度締めたら緩まない締め心地が特徴です。古くは武士も締めていました。今では大相撲では幕下以上でなければ博多帯を締めるのが許されないほどです。博多織は、着物を着る人は誰もが憧れる人気の帯です。

博多織の歴史

博多織はどのように伝わったのでしょう。1235年、博多の商人である満田彌三右衛門(みつたやざえもん)は、弁円和尚と一緒に南宋(中国)へ向かいました。6年間、宋に滞在し、織物、朱焼、箔焼、素麺、麝香丸(じゃこうがん)の5つの製法技術を学び博多に戻ってきます。

博多に戻った彌三右衛門は、博多の人に学んだ朱焼、箔焼、素麺、麝香丸の技術を教えました。しかし、織物の技術だけは家伝とし自分の家族にのみ伝えました。彌三右衛門はその技法にさらに工夫や改良を加えながら代々伝えていきます。

その後、彌三右衛門の孫、満田彦三郎が明(中国)に渡り、織物の技術をさらに追及します。帰国後、さらに改良を重ね、生地が厚く、浮き出た模様(浮線紋)がある織物を作り上げました。それが今の博多織の起源と言われています。

博多織の特徴

博多織の特徴は、細いたて糸をたくさん使い、太い緯糸で打ち込んでいきます。博多織の帯を締めると、「キュッ、キュッ」という絹の織物ならではの音、「絹鳴」がします。絹だとかたいイメージがあるかと思いますが、張りはあるのに、締めやすいといわれています。

博多織が出来上がるまで

(1) 絹糸をつくる

A)養蚕

カイコの卵は1ミリほどの大きさです。それから孵化したときは12ミリです。カイコは桑の葉を食べて70ミリまで成長します。そのうちに桑を食べなくなり、真っ白だったカイコは乳白色になります。
このように変化したカイコは繭作りを始めるので、蔟(まぶし)*に移します。
カイコは糸を吐いて、2~3日で繭ができます。
*蔟(まぶし):蚕が繭を作る場所

B)繭を集める

カイコが繭から孵化する前に、蔟(まぶし)から繭を集めます。

C)製糸

繭を乾燥させたあと煮ます。
そうすることで繭がほぐれていき糸が取りやすくなります。

(2) 博多織をつくる

A)企画

まず何を作るための生地にするかを決め、さらに献上柄にするか、他の柄にするか、どのような色にするかを決めます。

博多織で作られるものには、帯、着物の他に、鞄、ネクタイ、名刺入れ、財布など様々な種類があります。

B)意匠デザイン

博多織のデザインを決めます。柄の図案を実際に織物で作れるようデザインしていきます。

以前は手書きで経糸と緯糸を描きデザインを構成していました。コンピューターが導入されたおかげで、作業は効率化されたましたが、それでも大変な仕事です。

C)染色

生糸の汚れ等を除き、絹糸に仕上げます。

色見本に合わせて染色を作り、経糸と緯糸を染めていき絹の光沢を出すよう仕上げます。見本通りの色を出すのに、技術とセンスを必要とします。

染める方法には、機械染めと手染めがあります。染料も天然染料・化学染料があります。

D)糸の準備

織物を作るには経糸(縦糸)と緯糸(横糸)が必要となります。きれいに染められた経糸と緯糸を枠に巻いていきます。

E)製織

糸をセットしていきます。柄や色を変えるときは一本一本手で結び付けていきます。リズムよくトーン、トントントンという音を響かせながら折られていきます。

厳しい検品を受け合格した織物だけが博多織として証紙が発行されます。

献上柄について

博多織は、「献上柄」といわれる伝統的な模様があります。江戸時代に福岡の藩主、黒田長政が幕府に献上していた博多織の柄から由来しています。

献上柄は、次の4つの模様からなります。

  • 独鈷(どっこ)
  • 華皿(はなざら)
  • 中子持縞(なかこもちじま)
  • 両子持縞(りょうこもちじま)

仏具として使用する独鈷、華皿をモチーフとしています。独鈷は、人間だれしもがもつ煩悩を打ち砕くとされるものです。華皿は仏様の供養の時にまくお花を入れるお皿です。どちらも、魔除け、厄除けの願いが込められています。

中子持縞と両子持縞は、親を表す太い線と子供を表す細い線からなります。

中子持縞は、太い縞が細い縞を挟む縞模様で、親が子を守るという意味があります。別名、親子縞といいます。両子持縞は、細い縞が太い縞を挟む縞模様で、子が親を慕い守るという意味があります。別名、孝行縞といいます。

どちらも親子の愛情、家内繁盛、子孫繁栄の願いが込められています。

博多織五色献上

博多織には、福岡の黒田藩主が徳川幕府に献上したものを、「博多織五色献上」といい近年になって再現され、「紫、青、赤、紺、黄」の五色からなります。

「紫」は昔から高貴な色とされています。再現された染料はムラサキ草の根で染色されました。

「青」は季節の初めの色を表しています。アイで染色されています。
「赤」は天に昇る太陽を表しています。染料は日本アカネの根を使っています。
「紺」は信用を表現しています。青とはまた異なり深みがあります。染料はアイを使用しています。
「黄」は皇帝の威力を表現しています。ヤマモモの皮を使って染色しています。

現代にマッチした博多織

現代になって着物を着て帯を締めることが少なくなってきています。そのため、博多織は、現代の生活にあったものにも浸透してきています。

ネクタイや名刺ケース、お財布にバックなどです。男性にも女性にも使える博多織を多く見かけます。献上柄から、ドット、動物の柄など幅広い年齢層のかたにむけたデザインや品物が作られています。博多織をもっていることで、絹の美しさを楽しめ優雅な気持にさせてくれます。

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