最終更新日: 2022年9月5日
こんにちは。博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata 店長のタナカです。
博多伝統工芸品オンラインショップでも人気の柴田玉樹の博多曲物。木目や曲面など美しいデザインだけでなく通気性など機能面でも評価が高い博多曲物は、福岡市東区馬出で生まれました。
現在、福岡市博物館で開催中の企画展示「手仕事の美と技2 曲物」は、博多曲物の歴史や用途の移り変わり、道具、製作工程、現代のくらしに生きる曲物について紹介しています。博多曲物玉樹が所有の貴重な曲物の資料の数々が展示されています。
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見応えのある曲物の展示。バーナード・リーチの絵付け曲物も
展示されている数々の曲物はとても見応えがあります。
平安時代の絵巻物「信貴山縁起絵巻」(しぎさんえんぎえまき)に曲物の桶の絵が描かれているのには感動しました。今と比べてもおおよその形は変わっていません。
博多遺跡群から出土した中世の頃と推測される曲物は、黒ずんでいますが曲物の形をしっかりとどめています。博多曲物の起源と言われる胞衣桶(えなおけ)は、私の想像以上に大きいものでしたし、筥崎宮の祭具「丸三方」は初めて見ました。
他にも、定規などの製作道具、桜の皮の縫い目が美しい火鉢、明治〜戦前の存在感ある弁当箱、百合もの米が入る寿司桶「ユリ」など圧巻です。
イギリスの陶芸家バーナード・リーチによる馬の絵が描かれた曲物の折敷も展示されています。バーナード・リーチは「日本の民芸の父」と言われる柳宗悦とともに博多曲物玉樹(当時:柴田玉樹商店)に立ち寄りました。柴田家手づくりの寿司に舌鼓を打ったバーナード・リーチは、その際、そばに置いてあった曲物の折敷に筆で元気に跳ねる馬の絵を描いたとのことです。
福岡市博物館の企画展示は、毎回展示物やその構成や企画が興味深いものばかりです。今回も博多曲物の歴史がとても分かりやすく、普段見ることが出来ない貴重な曲物に出会える素晴らしい展示だと思いました。
はかた伝統工芸館との連携企画展も開催
はかた伝統工芸館(福岡市博物館内)では、2022年7月16日(土)〜7月24日(日)、連携企画展「くらしの中の伝統工芸 – 博多曲物編 – 」展を開催しています。はかた伝統工芸館は企画展示室のすぐ隣りに入り口があります。この機会を是非お見逃しなく。
>> 「くらしの中の伝統工芸 博多曲物編」はかた伝統工芸館で開催
福岡市博物館企画展示「手仕事の美と技2 – 曲物 -」
1.日にち: 2022年6月14日(火)〜 8月15日(月)
2.時間: 9:30 – 17:30 *17:00までに入館してください
3.入館料: 企画展示・常設展示共通 一般200円、高大生150円。中学生以下無料。
4.場所: 福岡市博物館 企画展示室4
住所: 〒814-0001 福岡市早良区百道浜3丁目1-1
TEL: 092-845-5011
定休日: 毎週月曜日(月曜が祝休日の場合は翌平日)
URL: http://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/580/


柴田玉樹の博多曲物を博多伝統工芸品オンラインショップでご購入いただけます。
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この記事を書いた人

田中 真
博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata の店長です。工房&工芸品ショップめぐり、旅行が大好きです。ユーラシア大陸横断、世界一周など訪れた国は50ヶ国以上。はかた伝統工芸館企画委員、はかた国際工芸協会事務局。代表をつとめる(株)トリップインサイトでは工房を訪れるツアーを企画催行しています。