最終更新日: 2022年6月22日
こんにちは。博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata 店長のタナカです。
男の子の誕生と成長をお祝いする端午の節句で飾る五月人形。
コンパクトでかわいい人形をお探しではないですか?
この記事では、端午の節句の意味、五月人形の種類と飾り方について説明し、最後に伝統工芸品である博多人形の五月人形をご紹介します。
五月人形を飾る端午の節句とは?

五月人形は、5月5日の行事、端午の節句で家の中に飾る人形です。男の子の誕生と成長をお祝いし、病気や事故に合うことなく元気に育つよう願いを込めて飾ります。家の外では鯉のぼりやのぼりを飾ります。
節句とは
節句(せっく)とは、奈良時代のころに中国から伝わった季節の節目となる日、または年中行事のことを言います。
農作物が無事に育つこと、病気や災害、事故に合わないこと、家族が繁栄することを願い、季節の食べ物をお供えして神事を行うなど日本の文化や生活に溶け込み定着しました。
3月3日の桃の節句が女の子の成長をお祝いするのに対して、5月5日の端午の節句は男の子の誕生、成長をお祝いする日です。
端午の節句、菖蒲の節句、尚武の節句

端午は、そもそもが最初(端、はし、はじめ)の月の牛(うま)の日という意味でした。その後、牛の発音が五の発音と通じることから5月5日が端午になったと言われています。
この頃は真っすぐ伸びる菖蒲の緑の葉を目にする季節です。菖蒲の葉は独特な香りがします。血行促進に効果がある成分が含まれているので端午の節句にお風呂に入れる菖蒲湯として用いられてきました。私も子どもの頃に父親と菖蒲の葉を取りに行き、菖蒲湯につかった記憶があります。
尚武(しょうぶ)とは、武道、武勇を重んじることです。武家政権の鎌倉時代になると菖蒲の読みが尚武と同じであり、菖蒲の葉が刀に似ていることから端午の節句を尚武の節句と呼ぶようになったと言われています。
五月人形の種類

五月人形は、「大将飾り」、「兜飾り」、「鎧飾り」の3つの種類に大きく分けられます。
大将飾り
大将飾り(たいしょうかざり)は武士の姿をした人形で武者人形とも言われます。兜や鎧を見にまとった男の子の人形は、子ども大将と呼ばれます。
武士のように強く育って欲しい、健康で丈夫な男の子に成長して欲しいという願いが込められています。今ではモダンでやさしくかわいらしい人形もあります。
兜飾り
兜飾り(かぶとかざり)は、武士が被る兜だけを飾ります。兜は大切な頭を守るものなので、男の子の身を守る意味が込められています。
徳川家康や豊臣秀吉など戦国武将の兜をモチーフにしたものやオリジナルのものなど様々な種類があります。
鎧飾り
鎧飾り(よろいかざり)は、武士が身にまとう兜、鎧からなる甲冑を飾ります。鎧は、胴、草摺(くさずり)、袖、脛当(すねあて)などが一体となっています。男の子の身を守る意味が込められています。
兜飾り、鎧飾りは、江戸時代にあった兜や武具を屋外に並べる風習がもとになっています。
他に、金太郎、桃太郎、神武天皇、応神天皇、鍾馗(しようき)などの人形があります。
また、飾り方の種類には、ケースに入れずに飾る「平飾り」、アクリルなどのケースに入れる「ケース飾り」、収納飾りがあります。
五月人形は誰が買うの?
博多伝統工芸品オンラインショップがある九州、福岡では、母方のご実家が五月人形を用意するのが昔の風習と聞いたことがあります。また、東京など東日本では、これとは逆に父方のご実家が購入する風習が残っているとも言われています。
母方、父方、どちらが買うべきという決まったものはありません。両方で話し合いながら決められたらと思います。
五月人形を出す、飾る、片付けるタイミングは?
五月人形はいつ飾るの?
五月人形を飾る時期は、雛人形と違って特に決まりはありません。春のお彼岸である3月20日頃から飾る方もいれば、4月に入ってから飾るご家庭もあります。
ただ、遅くても前日の5月4日に飾るのはやめましょう。正月飾りでも避ける一夜飾りになり、縁起がよくありません。
五月人形は一年中飾れます
これも雛人形と違っていつまでに片づけた方がいいという決まりはありません。お部屋の置物、インテリアとしてずっと飾れますし、子どもを守る意味も込められていますのでずっと飾ることができます。私の実家でも片づけることなく飾ったままでした。
節句の行事という意味合いで考えると片付けてもいいでしょう。五月人形を片付けるのでしたら、湿気の少ない好天の時が良いとされています。
五月人形を飾る場所
和室の床間やリビングなど、男の子を見守ってくれる場所に飾ります。直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は人形を痛めてしまうため飾るのは避けましょう。
博多伝統工芸品オンラインショップの五月人形
五月人形も現代の住宅事情やライフスタイルの変化から、従来の本格的なものからコンパクトでモダン、おしゃれな人形に人気が変わってきています。
博多伝統工芸品オンラインショップでは、コンパクトでモダンな五月人形を取り扱っています。伝統工芸品の博多人形で、作家は伝統工芸士でもある緒方恵子です。
風薫る

兜を被り陣羽織をはおった男の子が鯉のぼりに乗っている五月人形です。男の子の誕生、成長をお祝いするとともに元気いっぱいな男の子に育って欲しい願いが込められています。見ているだけで元気が出てくる人形です。
官兵衛くん

16世期後半に活躍した黒田官兵衛(如水)をモチーフにしています。黒田官兵衛は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という3人の天下人に仕えた、歴史に名を残す名軍師として知られています。
長政くん

福岡を代表する戦国武将の一人、黒田長政をモチーフにしています。黒田長政は、官兵衛くんがモチーフとした黒田官兵衛の長男です。1600年の関ヶ原の戦いで東軍の勝利に貢献し武勲をあげ、今の福岡の地に入り福岡藩の初代藩主となりました。
「風薫る」、「官兵衛くん」、「長政くん」ともコンパクトなサイズですので、場所を取りません。表情や装飾も優しいモダンです。
五月人形としてだけでなく、年間を通してお部屋をおしゃれに飾る置物としてもお使いいただけます。
博多人形は日本を代表する工芸品であり、経済産業大臣が指定する工芸品「伝統的工芸品」です。作家の緒方恵子は、これまで「博多人形与一賞展 与一賞」など数々の賞を受賞し、高度な技術を持つと認定を受けた「伝統工芸士」です。
お子様のご誕生、成長のお祝いに、また、ご親戚やお知り合い、ご友人のお子様への贈り物、プレゼントにおすすめです。
おすすめのコンパクトでかわいい五月人形
この記事を書いた人

田中 真
博多伝統工芸品オンラインショップ Crafts of Hakata の店長です。工房&工芸品ショップめぐり、旅行が大好きです。ユーラシア大陸横断、世界一周など訪れた国は50ヶ国以上。はかた伝統工芸館企画委員、はかた国際工芸協会事務局。代表をつとめる(株)トリップインサイトでは工房を訪れるツアーを企画催行しています。