きつね面「暫(しばらく)」垣内敬一人形

¥ 3,960 (税込)

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【商品名】きつね面「暫(しばらく)」
【種 類】垣内敬一人形
【作家名】垣内ひさ子

「暫」は歌舞伎十八番の一つの演目で、2021年7月23日に行われた東京2020オリンピック競技大会の開会式でも市川海老蔵さんが演じられました。

そんな歌舞伎の代表作の暫を、きつねさんに演じていただきました。「しばらく」という声が聞こえてきそうです。

ご自宅用、インテリア、お土産、贈り物におすすめです。

サイズ(奥行 × 幅 × 高さ cm): 4 × 9 × 10

有効: 在庫あり

カテゴリー:

作家紹介

垣内敬一人形の作家、垣内ひさ子が「ふぐ笛」を持って立っています。後ろにのぼりの旗、表彰状が壁にかけられ写真が飾られています。
ふぐ笛を手にする垣内ひさ子

名前

垣内ひさ子

ブランド名

垣内敬一人形

経歴など

1949年 福岡県津屋崎町(現、福津市)生まれ。工芸人形作家の故 垣内敬一の長女として誕生。幼少の頃から粘土に触れ、小学生の頃には土ねり、型とり、生地づくりなどを行う。
2013年 父、垣内敬一の遺志、人形の型を受け継ぎ、垣内敬一人形の製作を開始する。

垣内敬一人形の系譜: 垣内敬一 – 垣内すが子 – 垣内一彌 – 垣内ひさ子

【参考】垣内敬一のプロフィール

ふぐ笛を製作中の垣内敬一氏。1955年頃、頭に手ぬぐいを巻き左手にふぐ笛、右手にへらを持ちふぐ笛を成形しています。
ふぐ笛を製作中の垣内敬一(1955年頃)

1921年 福岡県津屋崎町(現、福津市)生まれ。
1936年 博多人形師の小島与一に師事する。後、20代の頃に独立。
1949年 昭和天皇陛下、九州御巡業の際、福岡県二日市大丸別荘にて博多人形師として展示に参加。宗像大社の御用人形師として皇太子殿下(今上天皇)、清宮様へ翁面、お雛様遊び人形献上。
1958年 「ふぐ笛」がブリュッセル万国博覧会で銅賞受賞。
1963年 香椎宮より秩父宮妃殿下へ参拝記念として獅子頭献上。
1968年 没。病気にてご逝去。享年47歳。
1976年 日本国際見本市振興会より全国優良玩具認證 (第124号)
作品多数が九州国立博物館に所蔵、一部が展示される。

垣内敬一氏がスーツを着て右手に扇子を持ち舞いを踊っています。同級生達との初老賀の祝いの席です。1961年に撮られた写真です。
同級生達との初老賀の祝いの席で舞いを披露する垣内敬一(1961年)

作品展示歴

2015年 垣内敬一展(企画主催)、藩校サミット、福岡マラソン、祝うたぁ友の会展、博多の恵比寿さん作品展
2016年 干支展、山笠展、手仕事展、国際歯学総会、福岡マラソン、ギャラリー京バラバラ三女展、お正月展
2017年 はかた伝統工芸館友の会展、おくりもの展、箱崎人形飾り、熊本伝統工芸館三人展、「あっと驚く、ARTで工芸」作品展、友の会キレイモノ展、で逢いにありがとう展、日本民藝館公募展
2018年 祝うたぁ友の会展、百面相展狐面(ほろよい、カーニバル)、工芸に活きる展
2019年 はかた国際工芸協会企画展
2020年 下関市亀山八幡宮いいふくの日、津屋崎千軒なごみ展

はかた国際工芸協会 会員

好きなこと、趣味、特技

ものづくり。人形作りをしている時が一番楽しい時間です。

工芸とともに育つ

福岡県津屋崎町(現在は福津市)の人形屋の娘に生まれました。

父、垣内敬一は、明治から昭和にかけて活躍した最高峰の博多人形師である小島与一に師事し、その後、20代の頃に独立し、博多人形をはじめ数々の人形や置物、飾り物の作成に励みました。九州、山口地方にある多くの神社へ奉納品やお守りなどの授与品もお納めしていました。

そんな父のそばにいたため、工芸の中で、工芸とともに育ちました。幼稚園の頃には粘土をこね、小学生の頃には土ねり、型とり、生地づくりを行い、父の手伝いもするようになりました。人形作りが楽しくて、毎日夢中になってしていたのを覚えています。

父との約束

私が中学生、15歳の時に、父から工芸の道に進むことを勧められました。当時、工芸の世界では、中学を卒業すると同時にその道に進むものだったのです。

人形を作るという工芸の道も魅力があったのですが、その時は若かったからでしょう、勉強や他のことをいろいろしてみたかったのです。そして、高校に進学したいこと、工芸の道はその先にしたいことを告げました。

父は、「やりたいと思った時が一番だ。だから、いつかそう思った時に始めたらいいよ。」と、優しく言ってくれました。

父は数々の作品を作り、皇室への献上や、出展したベルギーでの万博博覧会で「ふぐ笛」が銅賞を受賞するなど活躍しました。作風は実に幅広く、美人もの、お面、肖像人形、木目込み人形、木彫なども手掛け、工芸の世界で多彩な才能を発揮。

しかし、病気のため47歳の若さで他界しました。父が遺した人形制作は、垣内敬一人形として母が引き継ぎ、そして、かなりの年月が過ぎました。

「父の仕事を引き継ぎ、作家の道に入る。」

父との約束の言葉を思い出し、父が丹精込めた作品を忠実によみがえらせたいと思うようになりました。

2013年に工芸の世界に入ることを決断し、博多人形師の先生方に教えを請い、様々な技術を教えていただきました。博多人形師の先生方には感謝してもしきれません。

 

ふぐ笛が導いてくれた工芸作家の道

最初に作成したのは、山口県下関市の郷土玩具「ふぐ笛」でした。ふぐ笛が私を作家の道へと案内してくれたのです。

「ふぐ笛」は、山口県下関市や福岡県北九州市、福岡市などで「ふく笛」と呼ばれています。魚の「ふぐ(河豚)」をのことを「ふく」と呼ぶためです。「ふく」は「福」を呼ぶと言われ、縁起物とされています。

 

ホーホー「ふく笛」復活 下関の郷土玩具 型を継承の娘 40年ぶり 2020年11月28日 朝日新聞 夕刊
2020年11月28日(土)朝日新聞夕刊に掲載

この「ふぐ笛」は、2020年11月29日、山口県下関市にある亀山八幡宮で実に40年ぶりに復活販売されました。現地の新聞や大手新聞など数々のメディアに取り上げられ「作者は垣内敬一、名人と呼ばれた博多人形師小島与一の弟子」と紹介されました。(記事では「ふく笛」と記載されています。)

 

父との約束が「遅くなってごめんね」と胸の奥でひびきました。と同時に、やっと少しだけ約束が果たせたかなと思うと、とても嬉しくもなりました。

人形作りの魅力

人形作りは楽しいですが苦労の連続でもあります。人形の表情を生き生きとしたものにすることや、彩色にも注意を払います。

また、笛をきれいな音色を奏でられるようにすることにも技術を要します。作成している笛の種類には、「ふぐ笛」、「もま笛」、「鳩笛」などがあります。

出来上がりの形がとてもよく出来ていたとしても、きれいな音が出ないと笛は作品にはなりません。開ける穴の位置、大きさは少しでも変わるときれいな音が出なくなります。穴を開け、吹き口にヘラを入れる時は、特に神経を集中させて作業します。

美しい音が出ると、「ありがとう」と笛にお礼を言います。この、楽しくて夢中になるとともに難しさがあるところに人形作りの魅力があります。

伝統を守り、伝える

垣内敬一人形は、美人もの、童もの、節句ものなどの人形や、土鈴、面、笛など、いろいろな種類の作品があります。元気で、かわいく、ほっこりしたお人形たちにより、お客様が癒され、喜ばれ、幸せな気分になっていただけることを心より願います。

人形を手にしてくださるお客様のために、これからもひとつひとつ心を込めて人形作りに励んでまいります。お客様に人形をお届け出来る日を楽しみにしております。

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